【番外編】「最近の若者は日本語が正しく使えない」という発言について
昔からよく聞く
「最近の若者は日本語が正しく使えない」
という発言に、私は腹が立つ。
文章に携わる人は必読の一冊だと聞いて読んだのだが、確かにいい本だった。
物書きがどのくらい深く考えて文章を書いているか改めて気づかされ、文章を書く上で何が必要か、どういう書き方があるのかが詳しく書かれている。そういう視点があるということを投げかけているだけでも、とても意義深い本であると思う。
かくいう私も、大学では日本文学を専攻していたため、多少は文章や文学に素養がある。
だからこそ、興味を持ち、考える事がある。
「最近の若者は日本語が正しく使えない。」
よくおじさんの口から耳にする言葉だ。
私は言いたい。
「は!?じゃあ、正しい日本語ってなんですか!?」
まず、その人の言っている「正しい日本語」とはいつの時点のどの言葉を指しているのか明確にしてもらいたい。
どれが「正しい日本語」なのか、明確に答えられる人間などこの世に一人もいないだろう。
言語というものは、
「相手に自分の意思を伝える手段」
でしかないと私は思っている。
だから、相手に言いたいと思っている言葉が伝われば何でもいい。
造語だろうと、外来語だろうと、言いたい事が伝わればそれはれっきとした言語なのだ。
だから、
「正しい日本語」なんてものは存在しないし、
「正しい日本語が云々…」
と細かい事を言っている事自体に、意味がない。
言語は時代や場所によってどんどんと移り変わっていく。
必要な語は増えていき、使わない語は廃れていく。
言語なんてそんなものだ。
なのに大人は
「正しい日本語は、正しい日本語は…」
という。
じゃあ、あなたは源氏物語みたいなひらがなを使って文章体で文字を書き、平安時代のような口調で話せばいい。
あのあたりが日本固有の日本語であり、日本で発達した言語なのだ。
口語体で文章を書き、漢字を使っている時点であなたの日本語も正しくはない。
現在発行されている国語辞典なんて、外来語のオンパレードだ。
使える外来語はどんどん取り入れて発展していく。
そこが日本語の長所であることは間違いない。
あなたがさらっと使った今の言葉も、外来語の可能性は十分にある。
それなのに若者の日本語をおかしいと言う権利があるのだろうか。
「今日帰ったらサッカー見れる!やったー!」
でいいじゃない。
相手にはしっかりと伝わる。
必ずしも
「今日帰ったらサッカーが見られる!やったー!」
である必要はない。
よくよく自分が発言している言語を省みた上で発言してもらいたいものです。