6月30日 バイトを辞める
2013年6月30日、アルバイトを辞めた。
飲食店のキッチン兼ホールのアルバイトだ。
俺には夢があった。
カフェ兼洋服屋を開きたいと思っていた。
26歳の4月からアルバイトやら派遣社員やらを掛け持ちし、週7日4年間働き続けた結果、金融機関に借金をする頭金くらいはなんとか貯める事ができた。
今か今かと待っていた日がついに来て、俺はバイトを辞める事になったのだ。
さて、どうしようか。
期待に夢は膨らむばかり。
新しいお店、ピカピカの冷蔵庫、かっこいい棚、イカした洋服(今時イカしたはないか…笑)
小さなお店で、常連さんと楽しく話しながら、生活していけるだけのお金を稼ぎ、ゆったりと過ごすつもりだった…
ちなみに26歳までは特に何もない人生を歩んできた。
小・中・高・大と良くもなく、悪くもない中間の学校に通い、その中でも中間に位置する成績で、野球部に入っていたが運動神経が悪いのでレギュラーになる事もできず、特にこれといって人に自慢できるようなものは何もなかった。
卒業してからも一旦就職はしてみるも、全然面白くなく、精神的にも肉体的にも辛かったので、1年経たずにやめてしまった。
そのあと、3年間専門学校に通い、26歳になった。
バイトの最後の日、俺は腹痛に襲われた。
トイレにこもっていると、家を出る時間に間に合わなくなってしまった。
実家だったので、父親に送ってもらおうと説得。
急いで出てもらったが、父親が道に迷う。
「そこ右、右!」
バイト最後の日、父親は警察に捕まった。