8月11日 コールマン
黙々と電話をかけ始める。
「わたくしto_kunというものですが、こういうサービスを新しく立ち上げたので、記事にして頂きたいと思い、ご連絡しました。」
「わかりました。それでは担当の◯◯宛に◯◯ー◯◯◯◯ー◯◯◯◯にFAXで資料を送って下さい。」
こんな問答が続く。
思っていたより反応が悪くない。
電話をかける前はガチャ切りされると思っていたのだ。
電話をかけているのは大手新聞社。
「これはもしかしていけるかもしれない。」
そんな気がした。
もしかして、以前やっていた営業はかなり難しいものだったのか?
あれは押し売りセールスだったからいけなかったのか?
気分はノリにノってきた。
だんだん気持ちよくさえ感じてきたほどだ。
マラソン選手がよくなると言われている
「ランナーズハイ」
と同じような感じだろうか。
もうあの苦しい気持ちは虹の彼方へ行ってしまったのだろうか。
「いける!いけるぞぉぉぉ!!!」
今思えば、そう思えただけでも幸せだったんだなと思える。
結果を記そう…
メディア掲載数0である。
お笑い芸人がボケたのにツッコミ担当の相方にスルーされた気分だ。
一生懸命ご飯を作ったのに、旦那がその日は帰って来なかったような心持ちだ。
ライターも忙しいのだ。
「新たにサービスを立ち上げました。」なんて電話はたくさんかかってくるだろう。
それを全部取材するなんてのは土台無理な話だ。
やはりその中から記事になるネタ、読者の興味を引くネタを選び出して、取材しなければならない。
ここにこそ現場で磨かれた嗅覚とライター生命を掛けた天性の勘が働くワケだ。
今回の事業は記事になるネタではなかったということか…
無念…
最初から イケると思い 挫かれて