カネなし、コネなし、経験ナシの31歳独身男、起業家への道

カネなし、コネなし、就職経験1年未満の31歳独身男が起業家になるまでの道を日記風に綴っていきます。1週間に1回くらいのペースで書ければと思っています。ゆっくりやっていきます。

9月7日 ナンパ!?いやいや、スカウトです!

クラウドファンディングの公開日が決まり、怒濤の準備期間が終わった。

目の前の課題が終わり、次の一手に取りかかる時が来た。

自分で事業をやるからには当たり前の事だが、自分が行動を起こさなければ、状況は

何も変わらない。

とにかく即行動、即行動なのだ。

 

「次の戦略は何か。」

 

とにかく思考を巡らした。

いい戦略はないか。どうすれば世の中に認知してもらい、売上をあげることができるか

を考えに考え抜いた。

当時、以前書いたMBAを取得した社長さんに相変わらず月1くらいで相談にのってもらっていた。

 

社長さんと面談を重ねた結果、

「まずは顧客を集める工夫をする」

という結論に達した。

 

確かに、顧客がすでにいれば、これから洋服を売るデザイナーにとってのメリットは

大きいし、売上も安定する。

ビジネスで成功するパターンとして、すでに顧客がついているということが成功の

定石であるらしいのだ。

なるほど。

確かに社長さんの言うことには説得力がある。

 

では、実際にはどうすれば顧客が集まるのか。

俺が出した案には

 

・イベントを開催して、注目を集める。

SNSなどでコミュニティーを作り、人を集める。

 

などを提案した。

 

社長さんからの提案。

それは

「スカウト」

街で人をスカウトし、コミュニティーを作ろうというのだ。

ファッションに興味があり、おしゃれな人の集まり。

モデルになってもらい商品の撮影をしたり、そういう人達が集まるイベントを開催

したりしようというのだ。

 

結局、イベントをやるにしても、SNSを作るにしても、人を集めてこない事には

始まらない。

しかも、今まで成功してきた社長さんは基本的に飛び込み営業をこなしてきている

というのだ。

 

「確かに。」

ある意味素直な俺はあっさりと納得してしまった。

事業を成功させる為に、俺は何でもやるつもりだった。

例え周りに白い目で見られても、普通は敬遠するようなことも進んでやる覚悟があった。

ちょっとトラウマ気味な「電話営業」や「飛び込み営業」ですら、トラウマ克服を

目指して取り組む覚悟があった。

そして、ヒーヒー言いながら困難に立ち向かい。自力でそれを乗り越える。

帰ってきた自分には金銀財宝とみなが羨む確固たる実績を持って…

 

そう、鬼と戦う「桃太郎」の心境だ。

鬼は人間の中の邪悪な部分であり、その鬼を倒す事で煩悩に打ち勝つ物語だと勝手に解釈している。

「桃太郎」は自分との戦いの物語だ。

自分の邪悪な部分と向き合うのは辛い、苦しい。

しかし、自分の大切なもの、ゆずれないものの為に、「桃太郎」は立ち上がるのだ。

 

俺は覚悟を決めた。

「スカウト、行ってきます。」

 

トラウマ気味になっている俺は、前日から動悸・息切れがし、頭の中は

「明日行きたくないな…」

という気持ちでいっぱいだった。

もう日曜日から月曜日の出社の事を考えてしまう

 

サザエさん症候群サザエさんシンドローム

 

だ。

 

「でも、どこの社長さんも通ってきた道だ。

こんなところで弱音を吐いている場合じゃない。

どんなことでもやるって決めたんだろ。

トラウマを克服できるチャンスじゃないか。」

と自分に言い聞かせ、自分を奮い立たせた。

 

当日、俺は思い足を引きずりながら表参道に向かった。

まだ暑い、夏の日差しが照りつける午後でした…

 

俺は通っている顧客になりそうな人に声をかけた。

「すいません、モデルに興味ありますか?」

と。

名目上は「スカウト」だが、他の人から見ればやっていることは「ナンパ」である。

まさか31歳にして表参道で「ナンパ」をすることになろうとは…

 

何人も何人も声をかけた。

1日で約50人。

次につながりそうな話ができたのは5人。

 

打率1割。

野球にしたら戦力外通告ものである。

 

しかし、俺にとって打率なんてどうでもよかった。

「飛び込み営業が苦手」

「電話営業が苦手」

という自分の変えたかったのだ。

自分の苦手を克服し、より大きくなった自分、より成長した自分に会いたかったのだ。

 

1日を終えて、真っ暗な家へ続く道を歩く。

俺は頭の中でこんなことを繰り返し考えていた。

 

「もうやりたくないな、これ。」

 

鞭打って トラウマ克服 叶わない